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桜十字の自立支援型看護 ヒューマニティケア

ヒューマニティケアとは

人生100年時代を迎える今、医療者は患者さまの自立する力を引き出し、人間らしく生きる(生活できる)ためのケアを身につける必要があります。そんな中、桜十字病院看護部では「生きるを満たす生活支援」を重点目標に掲げ、2020年より日本ヒューマン・ナーシング研究学会が推進しているNICD看護(生活行動回復看護)に取り組んでいます。この取り組みは、あらゆる患者さまの人間らしさ・その人らしさを取り戻す自立支援型の看護・介護でありたいという思いから「ヒューマニティケア」と名付けられました。

NICDは、完全介護や寝たきりの状態から「生活者」として回復させるための看護技術です。要介護や寝たきりの方を少しずつ自立に導くこの看護技術が浸透すれば、医療や看護、介護のあり方だけでなく、未来の社会をも変えられるかもしれません。

エビデンスの構築で慢性期看護を変える

日本が高齢化の一途をたどる今、医療のメインストリームは慢性期医療にシフトしつつあります。しかし、慢性期医療は未だエビデンスの少ない分野です。エビデンスを積み上げることで、ケアへの信頼性が向上し、ケアを受けたいと考える方、そしてそれにより回復する方が増えるという好循環を生み出せるはず。私たちは、ヒューマニティケアを慢性期医療の最前線と位置づけ、エビデンスの構築を通してこれからの医療に貢献していきたいと考えています。

ヒューマニティケアってどんな看護技術?

NICDとは

NICDとは、Nursing to Independence for the Consciousness Disorder and the Disuse Syndrome Patientの略で、意識障害と寝たきり(廃用症候群)患者の自立のための看護と訳せます。筑波大学名誉教授・紙屋克子氏らが考案したケアの方法で、看護の力で「自身の治ろうとする力」を引き出し、サポートすることで患者さまを自立へと回復させていくケアです。

命は助かった。でも、それは家族や本人の望む姿?

紙屋氏がこのケアをスタートしたきっかけとなる、ある患者さまご家族のエピソードがあります。事故から一命を取り留めた患者さまを前に、ご家族に「命が助かってよかったです」と話したときのことです。しかし、ご家族から返ってきたのは、こんな言葉でした。「確かに命は助かったかもしれない 。でも、しゃべらない、動かない。私や家族のこともわからない。それで助けたなんて言わないで」。紙屋氏は衝撃を受け、看護の役割を考えはじめました。看護の専門性を「生活支援」と位置付けたNICDは、そこから生まれました。

医療者と家族の思い。ギャップを埋めるのは、ケアの力。

患者さまやご家族の考えるゴールや「回復」のイメージと、医療者のそれには、しばしばギャップがあります。医療者は、経験を積めば積むほど「手を尽くしてもこれ以上は難しい」というラインを知り、「ご家族が希望されるように回復するのは難しい」とあきらめてしまいがちです。しかし、ご家族にとって、患者さまはかけがえのない家族であり、怪我や病気を得る前の生活や関係を取り戻したいと願っています。医療の力で命が助かった。そこから患者さまを「生活者」として回復させるには、看護師や介護士が行うケアの力が重要です 。

NICDの手技

身体調整看護技術・身体解放看護技術・生活行動再獲得看護技術という3つのコア看護技術を用いて生活行動の回復を目指す看護技術です。生活リズムを整えて、自分で動ける身体をつくることで、「生活者」への回復をサポートします。さらに当院では、口から食べるプロジェクトの手技・評価やリハビリの技術を組み合わせ、他の専門職の力を借りることで、当院の患者さまによりフィットしたケアの提供を目指します。インスタグラムでケアのヒントを大公開していますので、ぜひチェックしてみてください! また、より詳しい手技については、桜十字病院のWEBサイトに掲載予定です。

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看護・介護ならではの「やりがい」が感じられるケア。

慢性期の看護観が変わる

慢性期看護では、安静・安楽が第一とされています。患者さまの小さな異変を見逃さず、異常やその兆候があればすぐに対処することで悪化を防ぎ、褥瘡予防、拘縮予防、体位変換、清拭、口腔ケア…と、現状維持のための細やかなケアが行われてきました。しかし、ヒューマニティケアでは、さらに回復を目指します。日々のケアにNICDを用いることで、「回復」に向けて取り組めるようになります。例えば、「尖足」という状態。すねからふくらはぎの筋肉からアキレス腱の筋肉に拘縮が生じた結果、つま先立ちのような足のかたちになっており、地に足をつけて座ることができません。しかし、尖足の患者さまにNICDを実践したことで、歩行訓練ができるまで回復し、寝たきりから車椅子の生活に回復した患者さまの例が、当院にもあります。

ヒューマニティケアのやりがい

ヒューマニティケアを実践するスタッフの生の声をご紹介します。

障害者施設等一般病棟・看護師が語るやりがい

これまでは、患者さんを変えるのは医師やリハビリであり、看護師の行うことは日々の対応や現状維持だと思っていました。そんな看護師の役割に疑問を持ち、変えたいと思うものの、どうすればいいか知識も技術も持っていませんでした。ヒューマニティケアには、そんなときに出会いました。病棟での実践では、患者さんに時間をかけてケアを行ったことで、患者さんに変化を起こすことができました。現状に疑問を感じている方、モチベーションが保てないと考えている人は、ぜひヒューマニティケアを学んでいただきたいです。気持ちや考え方が変わると思います!

医療療養型病棟・介護福祉士が語るやりがい
以前、自分の病棟の患者さんにNICDが実践され、どんどん良くなっていくのを目のあたりにしました。「どうしてこんなことができるんだろう?」と印象に残っていたので、院内で学べるチャンスがあると知り手を上げました。NICDは看護技術なので、介護職の経験を積むだけではなかなか触れる機会のない生理学や解剖学についても学ぶことができ、とても充実感を感じました。患者さんの問題に対して原因を探り、対策を立てて、患者さんのために何ができるかを考える際、捉え方が変わり、とても役立っています。学びたい介護職の方、仲間もいるのでぜひ挑戦してください!

「この患者さまは、こんな風になれるのでは?」

ヒューマニティケアを実践するためにいちばん大切なことは、「この患者さまは、こうなることができるのでは」といった可能性を発見しようとするケアの姿勢です。経験の先入観を取り払って創造性をはたらかせながら、科学的なエビデンスに基づいたケアを行えるスキルが身につけば、毎日のケアがやりがいになるはずです。

手技の獲得について(教育体制)

ヒューマニティケアの教育体制

当院のヒューマニティケアは2020年度にスタートしました。少数のヒューマニティケア・エキスパート生に、約1年間密にコミュニケーションを取りながら講師陣が教育を行う体制を取っており、現在2期目のエキスパート生が学んでいます。最終的に2025年には、当院のすべての看護師が実践できることを目指しています。

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日本ヒューマン・ナーシング研究学会によるオンラインセミナー

NICDを考案した筑波大学名誉教授 紙屋克子先生が理事長を務める日本ヒューマン・ナーシング研究学会のオンラインセミナーを受講しています。

2020年にはオンラインで紙屋先生の講義を受講。また、ヒューマニティケアが始まる前の2018年にも紙屋先生に来院いただきました。セミナーを受けたスタッフのいる病院にはできるだけ足を運び、病院全体で理解を深めてもらえるように工夫されているとのこと。

実技

日本ヒューマン・ナーシング研究学会のオンラインセミナー内での実技研修に加え、当院の理学療法士等の専門職もナーシングバイオメカニクスや呼吸介助などの専門分野をレクチャーします。

お互いに実践を行うことで、ケアを受ける側としての感覚も体感できる。呼吸介助の実践講義は、三学会合同認定呼吸療法士のレクチャーが受けられる。

院内での実践報告

エキスパート生としての学びの締めくくりとして、実践報告を実施。1~2か月間取り組んできたNICDの実践例を院内に報告しました。実践報告会では、発表資作成のレクチャーも。

 

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