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対談:2年目栄養士×5年目管理栄養士 -新卒栄養士に聞く、桜十字の栄養管理部で働く魅力とは?-

桜十字病院は「食べること」をとても大切にしています。
それは、栄養状態が患者さまの治療にも直結しているから。そして、人間の自然の営みだから。栄養をしっかりと摂取した状態で治療に臨んでもらうために、まずは食事に興味を持ってもらう必要があります。
たくさんの取り組みをしている栄養管理部に新卒で入職したお二人にお話を聞きました。

入職5年目の岩本さん(左)と入職2年目の竹森さん(右)

■岩本ももこ(2016年4月入社:入社歴5年目※取材時時点)
小学生のときの給食委員で、栄養士の先生と話したことがきっかけで、栄養士の仕事に興味を持つ。さまざまな状態の方の栄養管理に携わることのできる病院は、やりがいを感じられるのではと思い、桜十字病院に入社。

 

■竹森美紗稀(2019年4月入社:入社歴2年目※取材時時点)
高校生の時、お父さまが病気に。「食べることが好きだった父へ、食事を通して病気を治す手助けをしたい」と、管理栄養士を目指す。在宅での食事の栄養指導に興味があり、はじめは厨房で学ぶことができる環境に魅力を感じて桜十字病院に入社。

厨房業務を知ることの大切さ

新卒で入社して、まずは何をしましたか?

竹森:桜十字病院では、病棟での管理栄養士業務を行う前に、厨房業務を行います。毎日厨房では500食近くの食事をつくっています。

最初は皿への盛り付けや、できあがった食事を配膳車に乗せる作業などを行いました。細かいことですが、食器の向き一つにしてもきちっと揃えて丁寧に乗せると、やはり時間もかかります。食数も多いので、焦ってしまうこともありました。

岩本:量が多いと1つくらい向きが揃ってなくても…という気持ちが出てきそうになることもあります。私たちにとっては「何百食のうちのたった1食」かもしれませんが、患者さまにとっては「自分のためだけの1食」なんですよね。大切な1食なので、丁寧な作業が必要なんです。

竹森:また、患者さまは一人ひとり食べるものが異なります。そのため、誤った食形態のものを配膳すると、事故にもつながります。緊張感を持って、誤配膳がないよう慎重に作業を行っています。

今は盛り付けの次のステップに移行したそうですね。

竹森: 1年目の12月ごろからミキサー食を担当しています。基本、主菜は料理人が作るので、汁物やミキサー食を他のスタッフで担当します。調理工程の中にとろみの調整があり、最初はとても難しく感じました。病棟に食事を持っていく時間が決まっているため、正確さだけではなく、スピードも求められます。ですが、最初は時間がかかってしまいました。

焦ってしまいますね。どうやって乗り越えましたか?

竹森:スピード感と慎重な作業を両立させるために、一度やったことはしっかりと復習してから翌日以降の仕事に臨んでいましたね。厨房で食事を作り、配膳車で運び、病棟で患者さまが実際に食べる。ここまでが一連の流れです。ここで“厨房の先の仕事”を初めて意識しました。患者さまの元へ届く料理がどのようにつくられ、病棟まで運ばれているのか、一連の流れを知ることができました。

栄養士業務から管理栄養士業務へ

栄養士業務を経て、管理栄養士業務を行うようになった岩本さん。
管理栄養士になると仕事内容は変わりましたか?

栄養指導中の岩本さん

岩本:大きく変わりました。管理栄養士としての業務は、病棟へ行き、自分で患者さまの情報を得て、栄養管理計画書を作成し、その栄養計画に則って現場への指示出しをしなければなりません。私は回復期病棟を担当していますが、入院のある日は、入院カンファレンスにも参加します。

一日の流れを教えてください!

岩本:午前中は現場への指示出し、発注の訂正、食材の検品、また食事内容の変更があればその対応も行います。続いてお昼の時間になると、ミールラウンドを行います。

ミールラウンドとは何ですか?

岩本:ミールラウンドとは、実際に患者さまの食事の時間に病棟へ行き、実際に食べていらっしゃる様子を見たり、直接感想を聞いたりして、食事量やかたさなどが適切か確認を行うことです。常に患者さまに適切な食事が提供するために行っています。

患者さま満足に直結する、とても大切な仕事ですね!

岩本:そうですね。そのため、今年からは実施率100%を目指しています。
また午後からは、カンファレンスへの参加や、週に1回の回診、栄養指導なども行っています。管理栄養士は常に病棟にいるわけではないため、カンファレンスに参加することで、積極的に患者さまの情報を集めるようにしています。夕方からは、翌日の食数準備や食事変更処理等のルーチン業務を行っています。

桜十字病院の栄養管理部

桜十字病院の栄養管理部の特徴を教えてください!

岩本:イベント食に力を入れているところです。入院されている患者さまの中には、食べる意欲が低下し、なかなか食事を全量摂取できないという方も多くいらっしゃいます。栄養計画の上で、食事摂取量が治療やリハビリの成果にも影響するため、しっかりと食べてもらう工夫も栄養管理部の大切な役割です。さらに、食事に興味を持ち、食事を楽しんでほしいという思いから、イベント食を実施しています。

郷土料理:その土地を懐かしむ声や、初めて食べた!との声も。興味をもってもらうメニューを提供。

岩本さんも実際にイベント食に携わりましたか?

岩本:私も実際に新卒としてチームを組んで企画をしました。部長がイベントの案をくださったので、7~11期生の歴代の新卒で、実行に向けて企画を練りました。当時のイベント食はその年だけでなく今も続けてお出ししていますよ(郷土料理や四季味シリーズなど)。今は調理師のスタッフたちにも協力してもらい実行しています。これは厨房が直営だからこそ、うまく連携して行えているなと思います。

今いちばん力を入れているイベント食はありますか?

岩本:リクエストメニューに力を入れています。リクエストメニューとは患者さまが食べたいメニューを提供したいとスタートしました。食べたいメニューとその理由を、病棟に設置したリクエストボックスに投函してもらい、その中から栄養管理部で選んで提供します。病院は治療食であること、さらに大量調理で作られることから、実施するにあたり制約が多いのも事実です。しかし、その中でもどうにかして楽しみを提供できないかとみんなで考え、実施しています。

竹森さんはどんなイベント食に携わっていますか?

竹森:私は、デザートバイキングに関わっています。入院していると、室内で過ごすことが必然的に多くなります。そうすると、季節の移り変わりを感じづらくなってしまいます。そのため、季節感はとても大事。食材や盛り付けを工夫することで、季節の変化を感じてもらえるよう工夫しています。患者さまのところに伺い、何がおいしかったのか聞いてみたり、実際によく減っていたものを見たりして、翌月のメニュー作成に活かしています。

9月のデザートバイキングのプレートを持った竹森さん。秋の味覚たっぷりでおいしそう!

岩本:病院食の役割は治療なので、一人ひとりに合わせた治療食を提供しています。そのため、自分の意志で食べたいものを選ぶことができる機会は、なかなかありません。「デザートバイキング」は選ぶ楽しみを提供できる貴重な機会です。だからこそ、見た目も華やかにして、五感で楽しんでいただくようにしています。患者さまにお持ちするプレートができあがると、私たちも毎回テンションがあがります!

桜十字病院の栄養管理部で働くやりがい

管理栄養士業務と栄養士業務、それぞれのやりがいを教えてください!

岩本:自分が担当した、入院時は経管栄養だった患者さまが、経口摂取ができるようになって退院されたときにはすごく嬉しく、やりがいを感じました。また、病棟へ行った際に、患者さまはもちろんですが、ご家族からも声をかけてもらえると嬉しいですね。

竹森:私は、まだ病棟へ行く機会も少ないです。そのため、患者さまからのお喜びの声を管理栄養士の先輩方が届けてくださるときには「やったぁ♪」と思いますね。また、行事食のときには病棟に行きますが、患者さまから直接「おいしかった」の声を聞けたときはとても感動して、やりがいを感じましたね。普段の厨房での業務が患者さまにも届いていることを実感しました。

そんなふたりの今後の目標を教えてください。

岩本:管理栄養士業務を行うようになって、患者さまの個別対応をする際に栄養士業務の経験が活かせていると思います。その際に、厨房がどのような流れで作業をしているかをよく分かっているので、対応可能な方法を考えて依頼できたり、相談した際に、厨房からも「この対応ならできるよ」という声をもらったりします。厨房業務でチームワークを学んだおかげか、今もコミュニケーション能力は褒めていただくことがあります!これからはさらなる強みとして、ファシリテーターとしての能力も身につけたいなと思っています。

また、最近はクチタベ回診の中心メンバーを任せてもらえるようになりました!経管栄養から経口食への移行アプローチをするうえで、管理栄養士としてのアセスメント力を高めていきたいです。より患者さまに寄り添っていくために、自分だけの強みを見つけながら業務にも励んでいきたいと思います。

竹森:私の最終的な目標は、管理栄養士を志したきっかけである父の病気にもかかわってくるのですが、【がん病態栄養専門管理栄養士】の資格をとることです。今は病棟へ行っていませんが、管理栄養士業務を行うようになったときには、厨房業務で学んだことをしっかり患者さまへ還元できるような取り組みを行いたいです。

具体的には、在宅復帰を意識した栄養指導を行いたいです。家庭で食事を作る際、食べていただくための工夫や調理工程など、自分が実際に厨房業務をしたからこそわかるコツや注意点がたくさんあります。そのことを栄養指導の中で伝え、患者さまやご家族が退院後に調理をされるときの手助けになればと考えています。そのためにも、厨房業務もより一層力を入れて頑張りたいです!

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取材日:2020年7月3日 ※所属は、取材日時点の情報です。

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