2023.04.19
抗菌化学療法認定薬剤師試験に合格しました!
薬剤科の髙田科長が、「抗菌化学療法認定薬剤師」の認定試験に合格しました! 一体どんな資格なのか、髙田科長に伺いました。
抗菌化学療法認定薬剤師とは?
抗菌化学療法認定薬剤師は、公益社団法人日本化学療法学会によって2008年より認定されている薬剤師資格です。抗菌化学療法において、より深い知識をもち、感染症の種類や患者の体質・病態に合わせた薬学的管理を有効かつ安全に行うことのできる薬剤師として認められます。
資格取得までの道のり
条件1 公益社団法人日本化学療法学会への入会と学術集会への参加
条件2 公益社団法人日本化学療法学会の抗菌薬適正使用生涯教育セミナー・認定委員会の指定する研修プログラムなどにおいて、60単位を取得
条件3 医療機関において、薬剤管理指導・TDM(治療薬物モニタリング)・DI(医薬品情報)などの業務を通じて感染症患者の治療に参加した15例以上の症例報告レポート提出
条件4 認定試験に合格すること
病院機能評価の結果を受けて受験を決心!
― 抗菌化学療法認定薬剤師の試験を受けようと思ったきっかけは?
学生時代から細菌とか抗菌薬の分野は苦手なところで、学ぶことから逃げてきたんですけど、前回の病院機能評価で抗菌薬の適正使用の部分で「B」判定を受けて、院内で適正使用に関する仕組みづくりをしないといけないと感じたのがきっかけです。
抗菌薬の適正使用を進めるためには、薬剤科のスタッフの教育も必要だし、ドクターや病棟スタッフにも納得してもらえる仕組みにしないといけない。でも、院内には、抗菌薬に関する専門家がいない。なら、まずは自分からと思い勉強を始めました。

薬剤科のスタッフの知識向上に、薬剤科内でミニレクチャー会を開催
― どれくらいの期間勉強したんですか。
おととしの5月くらいから、受験条件をクリアするために、学会や研修会に参加したり、抗菌薬治療に貢献した15症例のレポートの作成を始めました。症例のレポートは、治療に貢献した部分にアンダーラインを引いて、文献を引用して考察を書かないといけないんですが、ガイドラインと異なる介入内容だと指摘を受けると聞いていたので、症例を集めてまとめるのがなかなか大変でした。
― 2年前から準備を始めていたんですね。
そうですね。その時から、自分の理解を深めるのと同時に、薬剤科のスタッフの知識の底上げも含めて、毎月抗菌薬のミニレクチャー会を薬剤科内で開催したりもしました。
― ミニレクチャー会ですか?
はい、学んだことをアウトプットすると、より知識が定着すると思っていて、毎月薬剤科では薬剤師が持ち回りで勉強会を開いているんですよ。そのなかで毎回15分くらい時間を頂いて、感染症の原因となる細菌のことや、各種抗菌薬の使用方法についてレクチャー会をしてました。

慢性期病院における抗菌薬の使用についてエビデンスをためていきたい
― 今後の展望を教えてください。
現在、他の薬剤師から担当患者の抗菌薬症例について相談を受ける機会が多いですが、中には有効と思った抗菌薬が奏功せず、教科書通りにいかないことがなかなかあるなと実感しています。
そもそも高齢者の抗菌薬使用に関するエビデンスが少ないという問題もあるので、様々な症例にかかわり高齢者の最適な抗菌薬の使い方を追求していきたいです。また、院内感染対策委員会と連携をとり、院内の抗菌薬の適正使用を進めて病院機能評価にリベンジしたいと思います。