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SPECIALIST

専門性を生かしてより質の高い医療・看護を。 地域医療だからこそ果たせるスペシャリストの役割

医療安全管理者 吉村 昌子
看護師歴38年(2020年4月時点)
2018年入職
医療安全の専従看護師として、医療事故に関する情報収集や分析、医療事故防止の体制づくり、職員への教育に携わる。前職までは高度急性期の最前線で活躍していた。

医療安全の専任者として当院へ

前職での経験を教えてください。

大学病院で36年間勤務していました。循環器内科に始まり、外科病棟、集中治療室、HCU、教育師長などさまざまな経験を積ませてもらいました。

東京大学医学部附属病院にも在籍していたとか。

当時は東京の看護師不足が取りざたされていて、大学病院同士の人事交流を行っていたんです。そのときにお声を掛けていただいたんですよ。私も「外に出てみようかな」と考えていましたし、都内の救急ってどんなことをしているのか興味があったので、救急部に行きました。ちょうどそのときに「地下鉄サリン事件」が起きたんです。日勤をしていたときです。ものすごい数の患者さんが搬送されてきました。

まさに“最前線”ですね。当院はガラリと雰囲気が変わりますが、転職のきっかけは?

院長に声をかけていただいたんです。医療の安全確保を行う専従者がいないので専任として誘われました。けれど最初はお断りしてしまったんですよ。そのころ、HCUに配属されたばかりだったんです。それから2年、HCUで働いて意識が変わりました。HCUの患者さんは、病棟に入院せずに地域の病院に転院される方もいて、地域連携を意識するようになったんですね。地域の病院は非常に重要ですし、そうした場所で医療安全を整えるのは、とても大事なことなんじゃないかと考えるようになって。定年まで後少しだったんですが(笑)、それがきっかけで思い切って転職しました。

当院でだからこそできること

転職して最初に何を感じたことは?

大学病院との違いは感じました。実は、キャリアの途中で福祉大学の大学院で学んで、社会福祉士の資格も持っているんです。そんな背景もあって、患者さんの生活を視野に入れた看護を大切にしたいという思いがありました。しかし、“救命”が最優先される超急性期の現場では、生活までを見据えた看護は意識されづらかったと感じています。意識のない患者さんがほとんどではありますが、「ごく限られた時間での関わりでも、社会に戻れば一人ひとりの“生活”をもった個人であるということを意識した看護が大切」ということを伝えるのに苦労しました。当院はさらに後の段階の役割を担っていますが、患者さんの生活をしっかりと見据えて入院から退院後のことまでをカンファレンスして提供しています。地域医療とはこういうことだな、と実感しました。

驚いたことはありますか?

思ったより医療安全の体制が整っていたことに驚きました。入職前の想像との“良いギャップ”ですね。転職するまで考えていた水準より高かったんです。どこの病院でも、本来正しく行われるべき医療・看護・介護行為から、逸脱してしまっている部分が大なり小なりあるんです。当院では、そうした部分に対して、病棟や現場が自主的にレポートをあげるシステムが出来上がっていたんです。ですから私が専従で着任してからは、レポートの内容をひとつひとつ現場で確認して、一緒に問題を解決する流れがスムーズに整えられました。今まで医療安全専従者がいなかったので、「なぜこの問題が起きたのか」といった分析をしきれずにいた部分があったんでしょうね。見過ごされてしまった小さな事案もきちんと解決して、大きな事故の防止につなげていきたいですね。

規模が大きいので現場への情報伝達は大変そうですね

周知や徹底は規模が大きくなるほど難しい、というのは大学病院で肌身にしみています。けれど現場は一生懸命ですよ。みなさん本当に協力的で、インシデント件数が減ったり、ある事案に対する対策がきちんとできるようになったり。現場がきちんと伝達し、実践しているのを直に感じると嬉しいですね。

今後の目標はありますか?

当院はグループ病院ですから、たくさんの病院を持っています。当院を基点にグループ全体の質をあげていきたいですね。それはもちろん、医療安全の面だけではありません。今、当院には感染や褥瘡に関して業務と兼任されている師長さんたちがいらっしゃいます。けれどやっぱり兼任は大変ですよね。中途半端になってしまいがちです。問題解決や、情報の発信、現場での指導教育や患者さまの支援など、専任で担っていただける看護師の存在は非常に大きいと感じています。

そうしたスペシャリスト、プロフェッショナルが集う病院になって、グループ全体の質をあげる情報の発信元になる、ということですね

そうですね。急性期でなくとも、専門の看護師が活躍できる場、専門の看護師だからこそ果たせる役割はたくさんあります。そうした皆さんと協力して、より良い病院を目指しましょう!

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