薬剤科では医療の質への貢献、医療安全への貢献を理念とし、患者にとって有効性、安全性に優れた薬物治療を提案・評価・実践することを基本方針として業務を行っています。
熊本大学・崇城大学・福岡大学・長崎大学
電子カルテで入力した医師からの処方をもとに、投与量、用法、相互作用など、患者1人1人に適正な処方になっているかを確認して調剤を行っています。当院では、医療安全の観点から原則として一包化調剤を行っています。一包化調剤の安全性の向上と効率化のために2022年に調剤機器を一新し、一包化監査支援装置(MDM)を導入しました。また、錠剤自動仕分返納装置(GENIE)も導入しており、薬剤の仕分け業務を学習機能を搭載した機械で行っています。
電子カルテで医師が処方入力した処方に基づき、投与量、投与方法、配合変化、患者毎の病態に合っているかの確認を行い、調剤、処方鑑査を行います。2024年からは注射調剤業務の効率化、病棟での適正な薬剤管理のために注射薬カートを用いた調剤を開始し、注射薬をよりわかりやすく安全に調剤・管理できるようになりました。
各病棟に担当薬剤師を配置し、各種カンファレンス・病棟回診への参加、薬剤管理指導業務を行っています。
中心静脈栄養、抗がん剤は、薬剤師が無菌調整室でガウン、手袋などを着用して調整を行っています。生体曝露への影響が懸念される抗がん剤に対しては、閉鎖式器具を用いて調整を行っています
医薬品情報の収集・評価を行い、医薬品の適正使用のために必要な情報を院内に発信しています。また、月に1回、院内医薬品情報誌(DIニュース)を発行し、院内で発生した副作用の報告なども行っています。
薬剤の中には薬剤の血中濃度を測定し、患者個々に適した投与量に調節する場合があります。特に抗MRSA薬は初回投与設計から薬剤師が関与し、感染症治療に寄与しています。
院内には職種横断的な専門医療チームがあります。抗菌薬適正使用チーム(AST)、感染制御チーム(ICT)、栄養サポートチーム(NST)、口食べ(摂食嚥下)チーム、褥瘡チームなど様々なチームで薬剤師が活躍しています。
電子カルテからの処方情報を基に一包化調剤を行います。錠剤の補充時にはバーコード認証が必要で、安全性の高い一包化調剤が行えます。また、ユニバーサルフィーダーを搭載しており、錠剤カセットがなくても手撒きコンベアを使うことなく、バーコード認証したうえで汎用カセットとして使用できます。
電子カルテからの情報を基に、散薬の分包を行います。散薬監査システムを導入しており、薬剤の種類や量が処方通りかを機械が判定したうえで分包を行います。円盤が2個搭載されており、効率よく散薬調剤ができます。
返品された錠剤分包品を薬品種ごとに自動仕分けを行います。仕分けた錠剤はQRコードが発行され、コード認証をしたうえで安全に錠剤分包機に返納されます。
一包化された錠剤を一包ごとに撮影・解析し、処方内容と薬剤の現物に相違がないかをチェックします。鑑査時には薬包に印字されたバーコードで解析結果を呼び出すことができ、鑑査業務の負担軽減に役立っています。また、撮影した画像をログとして担保できるため、薬剤払出後に問い合わせがあった場合に確認することができます。
当院では、専門性を高めチーム医療の中で医療の質の向上に貢献できる薬剤師を育成するために、認定薬剤師の取得を支援しています。
学会・研修会参加への病院の補助(院内規定あり) | 認定薬剤師に手当を支給 |
日病薬病院薬学認定薬剤師:7名 | 認定実務実習指導薬剤師:2名 |
NST専門療法士:2名 | 抗菌化学療法認定薬剤師:1名 |
リウマチ財団登録薬剤師:1名 | 公認スポーツファーマシスト:1名 |
薬剤師研修センター研修認定薬剤師:1名 | 医療安全管理者(日本精神科病院協会):1名 |
熊本地域糖尿病療養指導士:1名 |
月2回 | 製薬メーカーによる商品説明会 |
月1回 | 薬剤師が持ちまわりで症例報告等を関連病院の薬剤師と合同で開催 |
2024年度 | 4名(崇城大学、九州医療科学大学、大谷大学、同志社女子大学) |
2023年度 | 2名(崇城大学、横浜薬科大学) |
2022年度 | 4名(崇城大学、広島国際大学) |
2021年度 | 2名(崇城大学) |
2020年度 | 2名(崇城大学) |
2019年度 | 2名(崇城大学) |
2024/3/2 | 草場正司 | リウマチ性疾患症例へのミゾリビン使用の検討:メトトレキサートとの比較 | 第67回九州リウマチ学会 |
2023/11/8 | 草場正司 | これで病棟も怖くない!?~静脈栄養に使うカテーテルやラインについて~ | 熊本県病院薬剤師会 栄養療法研究会第2回定期研修会 |
2021/10/9 | 髙田恵司 | 院内フォーミュラリー運用後のプロトンポンプ阻害薬の使用状況について | 第31回医療薬学会年会 |
2021/10/9 | 横田美有 | 地域包括ケア病棟におけるリハ薬剤の実践と薬剤総合評価調整加算算定の取り組み | 第31回医療薬学会年会 |
2021/10/9 | 山田瑠依 | 薬剤部門全体で取り組んだ当院のポリファーマシー対策 | 第31回医療薬学会年会 |
2021/10/9 | 髙田恵司 | ポリファーマシー患者における抗コリン作用薬、ベンゾジアゼピン系薬の減薬がリハビリテーションアウトカムに与える影響について | 第29回医療薬学会年会 |
2020/2/11 | 髙田恵司 | 慢性期医療におけるポリファーマシー対策の重要性について~摂食嚥下障害とリハビリテーション薬剤を中心に~ | クリニカルファーマシー&サイエンスセミナー |
髙田恵司 | The associations of the number of medications and the use of anticholinergics with recovery from tubal feeding: A longitudinal hospital-based study | BMC Geriatrics (2020) 20:373 |