桜十字病院 RECRUITSITE

KEY PERSON

病院のリハビリ部から「産業理学療法士」へ。きっかけと道のりとは?

予防医療推進室 理学療法士
小田川 泰之

2010年4月、新卒 理学療法士として桜十字病院リハビリテーション部へ入職。入社9年目、予防医療推進室へ異動。現在、「産業理学療法士」として活躍中。
社内表彰受賞歴:「2012年貢献社員」「2012年度 年間MVP」「2013年貢献社員」「2015年11月患者さま満足賞(個人賞)」「2020年5月患者さま満足賞(個人賞)」等。
所有資格:「理学療法士」「心臓リハビリテーション指導士」「両立支援コーディネーター」「健康運動指導士」「第一種 衛生管理者」「健康経営アドバイザー」等。

今回の主人公は、理学療法士の小田川さん。
理学療法士といえば、病院や施設でリハビリを行う職種ということはよく知られていますが、小田川さんは、企業で働く人々の安全と健康を守る「産業理学療法士」として活躍しています。
産業保健分野で働く職種として「産業医」や「保健師」の存在は良く知られていますが、「産業理学療法士」はまだあまり知られていないという現状です。

小田川さんはなぜ予防医療の分野で働きたいと思ったのか。どんなお仕事をしているのか。聞いてみたいと思います!

「産業理学療法士」を目指したきっかけを教えてください。

新卒で理学療法士として桜十字病院に入職して、入院患者さんのリハビリを行っていました。
一番長く携わったのは「地域包括ケア病棟」で、そこでは在宅復帰を目指す患者さんが多く、日々のリハビリを通してその支援を行ってきました。
中には退院後に仕事に復帰するという患者さんも多くいらっしゃったので、復職の支援をすることもありました。


↑リハビリ部時代の小田川さん。2015年11月に、患者さま満足賞(個人賞)を受賞した時の写真です。

入社3年目くらいから、予防医療に興味を持つようになりました。
病気やケガをして入院してくる患者さんを見ていて、「退院後に仕事をしたり健康な生活を送ってもらうための支援をしているけど、そもそも怪我や病気を減らすことはできないだろうか。」と思うようになったんです。
また、病棟の理学療法士として退院していく患者さんを見送ったあと、「あの患者さん、無事に仕事できてるかな?続けられてるのかな?」と、退院したその先が見たくなったことも、きっかけになりました。入院時から退院までを支援してきましたが、退院後の支援はもっと大切なんじゃないかと思うようになったんです。

「産業理学療法士」までの道のりは?

興味を持ち始めた当初は、病棟でのリハビリ業務をしながらバス健診の手伝いをしていました。それから、労働災害の予防やメタボについてなど予防医療についての勉強も始めました。「健康運動指導士」の資格も、その頃に取得しました。

勉強をして資格を取って、上司にも自分の意思を伝えていったところ、少しずつ予防医療推進室の仕事もサポートさせていただけるようになりました。そして正式にリハビリテーション部から健診・産業保健を行う予防医療推進室へ異動しました!

今はどんなお仕事をしてますか?

労働災害を予防する職場環境づくりや、従業員の体力づくりなどを支援しています。
最初は腰痛予防からスタートし、現在では生活習慣病や転倒、肩こりやVDT症候群(パソコンなどのディスプレイを使った長時間の作業が原因で、目や身体や心に影響のでる病気)の予防などの依頼もいただけるようになりました。
最近増やしているのが、病気やケガの治療をしながら仕事へ復帰する支援。この分野では「両立支援」と言われます。先日は脳卒中の方の職場復帰を支援させていただきました。

産業保健分野に理学療法士が携わるメリットは?

桜十字では、産業医契約をすることで、産業医とともに保健師、営業、事務職、理学療法士がチームで支援します。それぞれの専門から、さまざまなニーズに対応できます。
その中で、理学療法士は身体づくりと動きの専門家なので、作業するために必要な運動機能を評価したり、作業をするときの動作や姿勢をみたり、作業効率や身体への負担について人間工学的に評価します。他には、腰痛や肩こり等の筋骨格系疾患や脳血管疾患をはじめ循環器や呼吸器疾患に対する運動やリハビリの知識もあるので、チームに理学療法士がいることで、そういう専門性の高いアドバイスもできるのが強みだと思います。


↑これは、ある企業の従業員向けに作った体操をポスターにしたもの。デスクワークだったり、運送業だったり、職種によって必要な運動が違うのでその企業にあった体操を考えています。内容とイメージを固めたら、桜十字病院の広報部門に相談して見やすいポスターに仕上げて貰います。

苦労したことは?

最初はこの仕事の知名度がまったくと言っていいほどなく、大変でした。企業を訪問しても、「理学療法士?病院でリハビリする人ですよね?…それで?(何ができるんですか?)」といった感じで。医療現場で通用していた考えでは簡単に伝わらないことや、改善案を提案してもすぐには受け入れてもらえないことに気づきました。

そこで、まずは産業保健全般に必要な知識や経験を積むことが必要だと考え、「第一種 衛生管理者」「健康経営アドバイザー」続いて、「両立支援コーディネーター」の資格を取得しました。さらに、いろんな企業に赴いて、顔を知ってもらって、会話して、実際に現場を見て、安全衛生委員会に参加して、職場巡視にも参加して。「こういうことができます」という事を伝え続けました。ときには、同じチームで活動する産業医や保健師、営業の方々にも協力してもらって、その人たちからも伝えてもらうことも。そうして一年くらいかかってやっと、少しずつ存在を認めてもらえるようになり仕事の依頼も増えていきました。

仕事をする上で、大切にしていることは?

支援先となる企業を知ることです。
工場、オフィス、物流倉庫など、訪問する職場はさまざま。まずは相手の企業について、調べます。業種によってリスクもニーズも違うので、少しでも知った状態で行かないと話に耳を傾けてもらえません。

どんな業種で、会社で…といった基本的なことから、どのような商品を作ってるのか、どんな環境で働いてるのかというところまで調べたり、その業種ではどういう事故が起きやすいのかデータを見たり。業種によってガイドラインが出ているので、それをチェックしたり。徹底的に調べて自分なりの仮説を持った状態で、訪問します。実際に見てみると「全然違ったな‥」ということもありますが(笑)

もうひとつ、大切にしているのが「現場」です。
大枠は企業側の担当者や経営者の方々と話を進めていくのですが、実際に現場で働く従業員とできるだけたくさん接することを心がけています。一人ひとり話を聞いていくと、いろんなことが見えてきます。「実は現場ではこんなことに困ってる。」と上司にも言えなかった現場の悩みを教えてもらえたり。現場で働く人たちにとって本当にためになる支援がしたいので、直接お話しすることを大切にしています。

仕事のやりがいと、今後の夢を教えてください!

関わっている企業で実際に労災が減ったり腰痛の人が減ったりと、効果が実感できた時にやりがいを感じます。それから、定期の体力測定で皆さんの運動機能が上がっていたときも嬉しいです。今後はこの分野に興味を持ったきっかけでもある「両立支援」で、私が関わった人の「できる仕事」がますます増えていって、障害を抱えながらもその会社の戦力として活躍できるようになれば嬉しいです。
「障害を抱えても諦めて欲しくない」という気持ちを原動力に、これからも力を尽くしていきたいです。


↑努力が認められ、2020年5月に「患者さま満足賞(個人賞)」2度目の受賞。2度目の受賞者には、トロフィーが贈られます。

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以上、小田川さんへのインタビューでした。
ここからは、上司の岬さん(予防医療推進室 責任者)にお話を聞いてみました!

上司インタビュー

小田川さんにこだわった理由。

小田川さんには、リハビテーション部に在籍していたころからバス健診(健診スタッフがバスに乗って会社を訪問して行う健康診断)をスポットで手伝いに来てもらっていました。
小田川さんの予防医療に携わりたいという気持ちと、予防医療事業部側も健康運動指導士のメンバーが欲しいという気持ち。いつしか双方の想いが一致したので正式に異動の話を進めたかったのですが、リハビリ部の内部調整にはどうしても時間がかかりました。「求人を出せばたくさん応募がくるだろうし、外部から採用しては?」という声もあったけど、小田川さんを待ち続けました。

小田川さんにこだわった理由は、人となりが分かっていたというのもあるけど、小田川さんが新卒として桜十字に育てられた人だから。部署が違っても桜十字に感謝する気持ちは同じで、そういう気持ちのある人と仕事がしたいと思いました。

地道な努力の積み重ねが信頼へ。

正式に異動したあとすぐに産業理学療法士としての活動をスタートしたわけではなく、最初に取り組んだのは部署のメンバーとの信頼関係づくり。チームワークが求められるバス健診の仕事から始めました。朝早くみんなで同じバスに乗って出発して、利用者を案内したり血圧を測ったり。地道にコツコツとがんばって関係を築いてきました。予防医療に関する勉強をして資格を取って、前向きに努力を続ける姿には、常々本気と熱意を感じます。

先日、小田川さんから高額な医療機器の購入を提案されました。実は2年前にも提案されたのですが、その時は許可をだしませんでした。今回「2年間、ずっと欲しかった」という熱い思いの伝わるプレゼンを受けて、地道な努力の積み重ねが伝わり、心を動かされました。桜十字では、新卒を「金のたまご」として育成を続けてきました。小田川さんのように、桜十字で育った人材を増やしていく事を、大事にしていきたいと思います。

↑運動機能分析装置「zaRitz(ザリッツ)」を使って検査をしている様子です。椅子から立ち上がる動作で、脚の筋力やバランス能力といった運動機能の状態を計測・評価することができます。定期的に計測を行うことで、骨折・転倒などの事故予防や健康で安全な身体づくりに活用しています。

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人事部 御手洗 桜
取材日:2020年5月21日 ※所属や役職等は、取材日時点の情報です。

関連サイト//「桜十字の健診・人間ドックについて」
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