2022.12.23 【介護研究室通信No.1】AIで抑うつや徘徊を予測!臨床研究実施中。
11月11日に誕生した「介護研究室」の情報発信係として、広報の穴見もメンバーに加わりました。毎月、活動報告をしていきますのでよろしくお願いします!
第1回目は、2022年10月中旬からレ・ハビリス桜十字熊本東の認知症専門棟で進められている「認知症対応型AI・IoT サービスの開発」に関する研究についてご紹介します!
この研究は、AMED事業という国が定める「医療分野研究開発推進計画」に基づき、認知症介護研究・研修東京センターの山口晴保先生が2020年5月から継続されているものです。
一体どんな研究?
認知症の進行により生じる不安や徘徊、暴言・暴力などのBPSDと呼ばれる症状を、AIで予測し、症状がでる前に対応することを可能にする研究です。
BPSDとは…「日付や場所がわからない」といった認知症の中核障害や環境要因・身体要因・心理要因などが相互に関係して生じる精神症状や行動障害のことです。
事前に症状を予測することで、患者本人の安楽、そして介助するスタッフの安全確保・負担軽減が期待されています!
実際の研究内容
10月中旬~11月21日|AIに学習させる
①レ・ハビリスの約20名の入居者さまに「時計型センサー」をつけていただき、24時間バイタルを計測、睡眠情報も自動で毎日記録。
②スタッフが入居者さまのBPSD症状(抑うつ・徘徊など)を「タブレット」に記録。
③気温・湿度・気圧・照度・騒音等の環境情報を「環境センター」で記録。
①~③の大量の情報を1か月間収集し、どんなバイタルの時、どんな環境(暗い・明るい・暑い・寒いなど)の時、どんな睡眠状態が続いたとき、どんなBPSDが出るのかをAIに学習させていきました。
11月21日~|AIのBPSD予測が開始!
早速、レ・ハビリス介護責任者 介護福祉士の田中さんにお話しをうかがったところ、「Aさん30分後に傾眠が見られます」など予測通知が届き始めているそうです。
同時に、実証研究の効果を検証するためスタッフへ「認知症困りごと質問アンケート」を実施。システム導入前、システム導入後(AI予測開始前)、AI予測開始後の計3回行い、AI・IoTシステム導入前後の変化を比較しています。
引き続き研究が行われるので、次回の社内報で実証研究の結果をご報告いたします。お楽しみに!